1980年代半ば、写真週刊誌の台頭とともに過熱の一途をたどっていた芸能ジャーナリズム。その格好の標的となったのが、当時誰もが予想しなかった二人の交際報道だった。当時、人気絶頂にあった若きスターと、すでに押しも押されもせぬ大スターとしての地位を築いていた大人の女性。ワイドショーのリポーターたちは連日連夜、二人の動向を執拗に追いかけ回した。
世間が好奇の目を向けたのは、21歳という世代の開きだけではない。大女優が放つ圧倒的な風格と、危うさを孕んだ少年の面影を残す青年のコントラストが、あまりにもドラマチックだったからだ。批判的な論調やゴシップ的な好奇心が渦巻くなかでも、二人は決して取り乱すことなく、互いへの敬意を滲ませた大人の対応を崩さなかった。そこに漂っていたのは、安っぽいスキャンダルを寄せ付けない確固たる精神的自立だった。