国語辞典の記述や公的な日本語教育において、明々後日の意味は「明後日の次の日」、すなわち今日を起点として3日後を指します。漢字では「明々後日」または「明明後日」と書き、古くからの和語で「しあさって」、漢語調の改まった表現では「みょうみょうごにち」と発音します。ここまでは現代の公学校教育や全国メディアでも広く統一された見解です。
では、問題の「明々後日の次」、すなわち今日から数えて4日後の呼び方は何になるのでしょうか。広辞苑第七版や大辞林第四版をはじめとする主要な現代国語辞典を紐解くと、明瞭に次の言葉が示されています。
それは、漢字で「弥の明後日」と記す「やのあさって」です。「弥(や)」という接頭語には「いよいよ」「さらに重なる」という意味合いがあり、「明後日(2日後)のさらに先(3日後)の、さらに向こう側」を表す語源構造を持っています。したがって、現代の標準語体系における未来の日の数え方は、次の順序で進むのが公認のルールです。
【標準語における日数の数え順】
今日(0日後) → 明日(1日後) → 明後日(2日後) → 明々後日(3日後) → 弥の明後日(4日後)
しかし、この標準的なカウントが通用するのは、実は主に東京を中心とする東日本エリアに限られます。関西や東海地方出身者に対して「じゃあ、やのあさってに会おう」と告げると、相手は「3日後」と解釈して現場に向かい、致命的な約束のすれ違いが発生することが珍しくありません。この混乱こそが、日本語の時間表現に潜む最大のミステリーです。