秋葉原の雑居ビルに店を構えるトレカショップの店主は、自店の防犯カメラ映像を見つめながら口を重く開いた。「10年前なら、カードショップに防盗金庫や赤外線センサーを入れるなんて誰も考えなかった。今は宝石店や高級腕時計店と全く同じリスクを背負っている」。
「イラストレーター」や初版の「リザードン」をはじめとする初期の限定カードは、世界的なコレクター需要と投機マネーの流入により価格が沸騰。数千万円単位の取引が日常化している。重さわずか数グラムの紙片が、同等重量のゴールド(金)を遙かに上回る価値を持つに至った。この「高密度な資産価値」こそが、裏社会の人間にとって極めて魅力的かつ効率的な資金源となった最大の要因だ。