男子シングルで長年世界を牽引してきた羽生結弦は公称172cmであり、海外の有力選手には180cmを超える長身スケーターも少なくない。国際スケート連盟(ISU)の審査基準においては、手足の長さやスケールの大きさが演技構成点に影響を与える側面が少なからず存在する。その中で、手足が長くスレンダーな選手と肩を並べた際、体格差自体は当然目につく。
しかし、フィギュアスケートにおける「大きさ」は身長だけで決まるものではない。長身選手が手足を活かした伸びやかなラインで魅せるのに対し、低重心の体躯はブレードにかかる荷重の深さと急激な方向転換、そして高回転のジャンプに強みを発揮する。体格の差を物理的な不利ではなく、独自のキャラクターと躍動感へ転換させた点こそが彼の真骨頂だ。