屋上ヘリポートに爆音が響き渡り、ドクターヘリが舞い降りる。九州各地の離島や山間部、さらには重症の交通事故現場から直接搬入される患者を、救急科チームが一刻の猶予もなく迎え撃つ。脳卒中や心筋梗塞、多発外傷——重症患者の命を繋ぐために設定された「黄金の時間(ゴールデンアワー)」との戦いは、文字通り秒単位で展開される。
救急外来の初診室では、搬送中の救急車からリアルタイムで送信されるバイタルデータと超音波画像が巨大モニターに映し出されていた。受け入れ準備は患者が到着する数分前にすべて完了している。受入要請を原則拒否しない姿勢を貫く裏には、高度な連携プレイと、限界まで磨き上げられた初期対応プロトコルの存在がある。