銀幕のスターとしてキャリアを始動させながらも、彼女の挑戦は映画だけにとどまらなかった。舞台への情熱も極めて高く、帝劇や明治座などの大劇場で座長を務め、数々の名作劇を大ヒットに導いてきた。劇場の空気感を一瞬で変える圧倒的な存在感と朗々たる発声は、観客を深く没入させた。
時代劇における優美な所作から、現代劇で見せる身近で愛すべき母親像まで、その表現の幅は恐ろしいほどに広い。日本の映画産業が変革期を迎える中でも、常に新しい表現を恐れず第一線に立ち続けた。表現者としての飽くなき探究心と誇りこそが、半世紀以上にわたって人々を惹きつけてやまない最大の理由だろう。