仙台育英学園高等学校の野球部を率いる須江航監督は、常々「失敗から何を学ぶか」「生徒の未来をいかに守るか」を指導方針の根幹に置いている。騒動当時も、周囲からの激しい批判の矢面に立ちながら、渦中の生徒に対するメンタルケアと事実関係の確認を最優先で進めた。
現場を知る関係者たちの証言によれば、当事者である選手本人は意図的な接触を強く否定しつつも、相手選手を不安にさせたことに対して深い苦悩を抱えていたという。対戦相手のチーム側とも直接的なコミュニケーションが図られ、過剰な対立構図はグラウンドの外で作られたものに過ぎなかったことが窺える。
須江監督は後に、メディアを通じた情報の発信方法や、球児たちが直視せざるを得ないネット上の声との付き合い方について、積極的な啓発活動を行うようになった。教員としての責任を果たし、不当な誹謗中傷から生徒を全力で保護する姿勢は、高校野球界における指導者のあり方に一石を投じるものとなった。