デジタルネイティブ世代の作詞論において、最も大きな革新をもたらしたのがAyaseだ。ボカロPとしてのキャリアで培われた、1音節に詰める情報量の多さと予測不能なメロディラインへの歌詞はめ込み技術は、従来の作詞理論を根本から書き換えた。
小説を原作として楽曲を構築する独自の手法は、登場人物の心理描写と楽曲のリズム感を驚異的な高次元で融合させている。聴き手が歌詞カードを見ずとも頭の中に映像が浮かぶグラフィックな言葉選びは、サブスクリプションでの「リピート再生」を誘発する強力なトリガーとなる。
テンポが速く、転調の多い現代のアニメソングにおいても、言葉の意味を殺さずに韻を踏み、感情を揺さぶるスキルは突出している。ネット発のクリエイターが音楽シーンの主役に躍り出た象徴的な例といえるだろう。