日本の少年漫画シーンにおいて、近年のエンタメ界を最も大きく揺るがしたのがダークファンタジーというジャンルの進化だ。従来の「努力・勝利・友情」といった王道路線に留まらず、残酷な現実や倫理観の葛藤を容容赦なく描くスタイルが、大人の読者層をも強く惹きつけている。
その筆頭と言えるのが、講談社の「別冊少年マガジン」で連載された諫山創による『進撃の巨人』だ。高い壁に囲まれた人類の存亡を賭けた戦いから始まり、国家や歴史の謎、そして自由の意味を問う重厚なドラマへと昇華していった。緻密に張り巡らされた伏線が次々と明かされる展開は、一気読みすることでその真価を発揮する。完結した今だからこそ、最初から最後まで通して読むべき歴史的傑作である。