龍虎の角界人生を語る上で欠かせないのが、当時の相撲界を牽引した名門・花籠部屋の存在だ。横綱・輪島をはじめ、個性的で強力な力士がひしめく環境の中で、龍虎孝栄の四股名はひときわ大きな光を放っていた。特に第54代横綱・輪島大士とは、部屋の同門でありながら切磋琢磨し合うライバルであり、同時に強い絆で結ばれた親友でもあった。
ふたりが巻き起こしたムーブメントは、日本相撲協会の運営方針やメディア露出のあり方にも大きな影響を与えた。土俵上での熾烈な攻防はもちろん、土俵外で見せる人間味あふれる掛け合いがテレビ中継を通じて全国のお茶の間に届けられ、相撲人気の爆発的な拡大に寄与したのだった。