池松壮亮の役者人生は、まさに運命的な出会いから幕を開けました。1990年7月9日、福岡県福岡市に生まれた彼は、10歳の時に劇団四季のミュージカル『ライオンキング』のヤングシンバ役オーディションに合格し、初舞台を踏みます。当時のインタビューで本人は「もともとは野球選手になりたかった」と語っており、姉のオーディションについて行ったことがきっかけという偶然の産物でした。
そして2003年、弱冠12歳(撮影当時)にして世界的大ヒット映画『ラストサムライ』で映画初出演を果たします。トム・クルーズ演じる主人公ネイサン・オールグレンと心を通わせる少年・飛源(ヒゲン)役を演じ、その瑞々しくも芯のある眼差しは世界中の批評家から絶賛を浴びました。アメリカの「第25回ヤング・アーティスト・アワード」にノミネートされるなど、子役時代からその才能は際立っていました。
高校卒業後、池松壮亮は日本大学芸術学部映画学科監督コースへと進学します。あえて演技コースではなく監督コースを選んだ理由について、本人は過去の公式インタビューで「映画がどのように作られているのか、作り手の意図やカメラの裏側の思考を知りたかった」と明かしています。この4年間で培われた映画制作への構造的理解が、現在の「監督の意図を完璧に体現する演技力」の揺るぎない土台となっています。