立川一門における「序列」は、単なる入門順や香盤表の数字だけでは測れない。談志が弟子に求めたのは、技量はもちろんのこと、師匠の「イリュージョン」と同調できる感性と、ひとりの人間としての圧倒的な存在感だった。
一門の歴史を語る上で避けて通れないのが、1999年に勃発した二つ目昇進試験を巡る大破門騒動だ。談志が課した厳しい基準を満たせないと判断された弟子たちが一斉に破門や一門降格の処分を受け、寄席社会に激震が走った。談志にとって弟子とは、甘やかす対象ではなく「業の肯定」を体現するための表現者でなければならなかったのだ。
では、直弟子たちの現在の格付けはどうなっているのか。筆頭と目されるのは、チケットが最も取りにくい落語家と称される立川志の輔だ。それに続くのが、圧倒的な描写力と情念の落語で観客を圧倒する立川談春、そしてテレビのコメンテーターとしても独自のポジションを築いた立川志らくである。この3名を中心とする「直弟子」たちが、現在の立川流の看板を実質的に支えている。