キャリアが順風満帆に見えた2016年4月、当時高校2年生だった吉田里琴は突如として芸能界からの引退を発表します。ファンの間には大きな衝撃が走り、ネット上では体調不良や人間関係のトラブルなど様々な憶測が飛び交いました。
しかし、公表された吉川愛 引退理由の核心は「学業に専念し、普通の高校生としての生活を送りたい」という本人の強い意志でした。3歳から常にカメラと大人たちに囲まれて育ち、同年代の子どもたちが経験する放課後の寄り道や部活動、学校行事に十分参加できなかった彼女にとって、思春期を迎えて芽生えた「一般的な日常を体験したい」という欲求は極めて切実なものでした。
引退後の約1年間、彼女は完全に芸能界の連絡を絶ち、普通の女子高生としての日々を過ごしました。なかでも本人が後のインタビューで明かした「パン屋でのアルバイト経験」は、彼女の人間形成において決定的な転換点となります。早朝シフトに入り、レジ打ちや接客、掃除をこなし、自らの労働で対価を得るという経験が、それまでの「特別な子役」という殻を破り、地に足のついた金銭感覚と社会性を育む契機となりました。