コンビニエンスストアや一般的なファストフード店と比べても群を抜いて安いIKEAのホットドッグ。なぜこの低価格が実現できているのか、そこにはグローバル家具巨塔ならではの綿密な戦略が存在します。
最大の理由は、ホットドッグが店舗全体の「ロスリーダー(集客・満足度向上商品)」として位置づけられている点にあります。ビストロ単体で大きな利益を出すことよりも、巨大なショールームを歩き回って疲れた顧客に対し、最後に「安くて美味しかった」という強い好印象を残すことが主目的なのです。行動経済学や心理学で知られる「ピーク・エンドの法則」を実店舗に応用し、買い物の締めくくり(エンド)を最高のものにすることで、ブランド全体のロイヤルティを高めています。
次に挙げられるのが、徹底したセルフサービスとオペレーションの簡素化です。注文はタッチパネルや券売機で行い、カウンターではパンにソーセージを挟むだけの数秒オペレーションで提供されます。ケチャップやマスタードの塗布は客自身がディスペンサーで行う仕組みを採用することで、人件費を極限まで圧縮しています。
さらに、世界各地の店舗で展開するスケールメリットを活かした原材料の大量一括調達も、原価率を抑える大きな武器となっています。