『妻、小学生になる。』が今なお語り継がれる背景には、制作を手掛けたTBSテレビの圧倒的なドラマ制作技術がある。奇抜な設定だけに頼るのではなく、遺された家族が直面する現実的な悲しみ、喪失からの再生という重厚なテーマを丁寧にすくい上げた。
日本のテレビドラマが得意とする細やかな心理描写と、日常の食卓やリビングで繰り広げられる会話劇の妙。これらが組み合わさることで、ファンタジーという突飛な設定がいつの間にか観客にとっての「現実の物語」へと昇華していく。テレビドラマの枠を超えた映画的クオリティと叙情的な演出は、近年制作された日本のテレビドラマの中でも際立った輝きを放っている。