二人が歩んできた道標は、日本の声優業界そのものの発展の歴史と重なる。子役としての活動を開始点に、声表現の可能性を模索し続けた昭和から平成の黎明期。当時はまだ声優という職業の専門性が確立されていなかった時代だが、彼らはマイクの前で一発勝負の緊迫感と戦いながら、キャラクターに生命を吹き込んでいった。
アニメ表現の深化に伴い、演者に求められる要求が高まる中でも、塩屋兄弟は第一線で説得力のある演技を提示し続けた。洋画の吹き替え現場で培われた確かな技術とマイクワークは、後の若手声優たちにとって生きた教材となり、業界全体の底上げへと直結している。