希少なオスの三毛猫を迎えた飼い主が直面する疑問の一つが、「オスの三毛猫は短命なのか」という健康面への不安です。遺伝子異常を伴って生まれてくることから、体が弱く長生きできないという説が長年語られてきました。
医学的な観点から言えば、クラインフェルター症候群(XXY)を持つ個体は、性ホルモンの分泌バランスの乱れや基礎代謝の異常、心疾患・免疫系のリスクを抱えやすい傾向が一部で見られます。しかし、これは「必ず短命になる」という意味ではありません。近年の獣医療の高度化や良質なキャットフードの普及、完全室内飼育の徹底により、15歳以上の天寿を全うするオスの三毛猫も数多く報告されています。
一方で、押さえておくべき重要な事実が生殖能力の有無です。染色体異常に起因するオスの三毛猫は、精巣の発達不全により精子を作ることができず、99%以上の個体が生殖能力を持たない不妊(無精子症)となります。したがって、「オスの三毛猫同士を掛け合わせて希少な血統を増やす」といったブリーディングは生物学的に不可能です。