個人間で行われる精子提供の多くは、精液をシリンジ(注射筒)に入れて自ら注入する「自己流タイミング法」で行われる。しかし、ここには極めて高い医学的リスクが伴う。医療機関で行われるスクリーニングとは異なり、個人が提示する「感染症陰性」の証明書は、偽造や古いデータの可能性があるからだ。
HIVや梅毒、B型・C型肝炎といった感染症は、潜伏期間があるため検査のタイミングによっては検出されない。また、クラミジアなどの性感染症が卵管閉塞を引き起こし、結果として不妊を悪化させる皮肉な事態も起きている。医師を通さない医療行為もどきは、命に関わるギャンブルに他ならない。