出石を訪れて「出石皿そば」を食べずに帰る手はない。小皿に盛られたそばを何枚も重ねて食べる独自のスタイルは、宝永年間に信州上田から移封された仙石氏に伴って伝わったとされる。現在も城下町には約40軒ものそば屋がひしめき合っている。
地元で長年愛される穴場名店の店主は、出汁づくりの秘密をこう語る。「カツオと昆布の割合はもちろん、但馬の清らかな水が醤油の旨味を引き立てる。薬味の生卵やとろろを加える順番にも、職人のこだわりが詰まっているんです」。一口ごとに風味が変わる奥深い味わいに、箸が止まらなくなるのは言うまでもない。