ストーンが回転をかけながら進む際、なぜ後半になって急激に曲がっていくのか。その秘密は石の底面構造と氷の表面状態に隠されています。
まず、ストーンの底面は完全に平らではなく、お椀の底のように中央が大きく窪んでいます。氷に実際に接触しているのは、底面の外周付近にある幅わずか5〜8mm程度、直径約12〜13cmのリング状の隆起部分(ランニングエッジ)だけです。
さらに、カーリングリンクの氷はスケートリンクのような平滑面ではなく、製氷担当者(アイスメーカー)が霧吹きで微細な水滴を散布して作った無数の氷の粒「ペブル」で覆われています。ストーンはこの突起したペブルの先端だけを踏みしめるように滑走します。ストーンが低速になると回転によって進行方向の前側と後側でペブルとの摩擦差が生じ、速度が落ちる終盤にかけて急激に軌道が曲がっていく(カールする)のです。選手たちがブラシで氷を掃く(スイーピングする)行為は、このペブルの摩擦熱で微小な水膜を作り、曲がり幅と滑走距離をミリ単位で調整しています。