海南島南端に位置する文昌航天発射場は、単なる科学実験の場ではない。赤道に近いため地球の自転速度を最大限に活用でき、ロケットの能力を余すところなく引き出せる地理的優位性を持つ。さらに打ち上げルートが海上にひらかれているため、落ちてくる切り離しロケットの落下リスクを大幅に低減できる点も強みだ。
この恵まれた環境から高頻度で送り出されているペロードの多くは、表向きは商業通信や気象観測と説明されている。しかし防衛アナリストたちの見解は異なる。高解像度の光学観測衛星や合成開口レーダー(SAR)衛星、高度な電波情報収集衛星が静止軌道上に絶え間なく補給されており、アジア太平洋全域をリアルタイムで監視する巨大な自前の防衛ネットワークが刻一刻と完成へ近づいている。