日本全国で加速する少子化は、高校野球の現場にも深刻な影を落としている。地方では単独でチームを編成できず、複数校による「連合チーム」で大会に出場するケースも年々増加傾向にある。その一方で、存続の危機に瀕しながらも奮闘する公立校野球部は、地域コミュニティを再結合する強力なハブとしての役割を強めている。
地元商店街のポスター掲示、市民によるクラウドファンディングでの遠征費支援、地元の小中学生を招いた野球教室の開催――。自分たちの街で育ち、地元の公立に通う球児たちを応援することは、地域住民にとって単なるスポーツ観戦を超えた「我が事」なのだ。
スタンドを埋め尽くす大歓声と、町ぐるみの温かい後押し。全国から集まったドリームチームにはない、地元との圧倒的な情緒的結びつきが、土壇場での逆転劇を生む精神的支柱となっている。