この事件がこれほどまでに世間の注目を集め、議論を呼んだ背景には、防げたはずの悲劇だったという側面が強い。冨田さんは事件前、男からのストーカー行為について警視庁武蔵野署に何度も相談していた。男の書き込み内容や、ライブ会場に現れる危険性を具体的に訴えていたのだ。
しかし、警察の対応は鈍かった。事態の緊急性を低く見積もり、ストーカー規制法に基づく警告などの措置を怠った。結果として、最悪の事態を防ぐことはできなかった。後に警察側は対応の不備を認め、謝罪することになるが、失われた時間と被害者の負った傷が元に戻ることはない。