長崎市内には数百を超えるちゃんぽん提供店が存在するが、地元住民の評価と職人の技術を徹底的に照らし合わせた結果、以下の名店が頭一つ抜けた存在として浮かび上がる。
筆頭に挙げたいのが、長崎新地中華街に本店を構える「江山楼」だ。創業以来、長崎の中華界を牽引してきた名門であり、その「特製ちゃんぽん」は圧巻の完成度を誇る。フカヒレや肉団子、魚団子、新鮮なエビが惜しげもなく盛られ、鶏ガラ100%を徹底的に炊き上げた黄金色の濃厚白湯スープは、ポタージュのようにクリーミーで雑味が一切ない。一口含むだけで、素材の贅沢なエキスが舌を包み込む。
一方で、思案橋の歓楽街で夜ごと行列を作る「康楽(かんろ)」も見逃せない。こちらは中華街の重厚感とは一線を画し、透明感を残したキレのあるスープが特徴だ。キャベツの火入れが完璧で、強火で一気に炒められた野菜の香ばしさとシャキシャキ感が最後まで持続する。あっさりしながらも深い旨味が後を引く、呑兵衛たちの聖地が生んだ傑作である。