気になる「土の家の現在」ですが、千葉県内の自然豊かなロケーションに建てられた建物は、年月を経て周囲の木々や土壌とより深く調和した姿を見せています。完成当初に見られた鮮やかな土の地層グラデーションは、風雨と紫外線による経年変化を受け、侘び寂びを感じさせる落ち着いたトーンへと変貌を遂げました。
住人のその後についても様々な憶測が飛び交いましたが、施主家族は自然素材住宅が持つ特有の癖を理解しながら、工夫を凝らして生活を営んできたとされています。工業製品の住宅のように「メンテナンスフリー」とはいかないものの、四季の移ろいをダイレクトに感じられる環境を愛着を持って維持しており、単なる失敗作という外野の声とは異なる、住まい手ならではのリアルな共生関係が築かれています。