これほどまでに二人が混同される最大の要因は、映画『ちはやふる』で坂口涼太郎が演じた「ヒョロくん」こと木梨浩のビジュアルが、ひょっこりはんのキャラクタービジュアルと完璧なまでに符号していた点にあります。
SNS上では当時、「ヒョロくん役をやっているのはひょっこりはんだと思っていた」「テレビのドラマクレジットを見て初めて俳優の坂口涼太郎だと知った」といった投稿が相次ぎました。大手掲示板や知恵袋でも「同一人物説」が真面目に議論されるほどの現象となったのです。
しかし、細部に着目すれば見分けるのは難しくありません。現場のプロが見立てる「決定的な見分け方」は次の3点です。
- 眼鏡の有無と目元の鋭さ:ひょっこりはんはトレードマークである太い黒縁の丸眼鏡を着用しています。一方の坂口涼太郎は基本的に裸眼(役柄によって眼鏡をかける場合もありますが形状が異なる)で、切れ長の涼やかな目元と豊かな眉の動きが特徴です。
- 身のこなしと姿勢の美しさ:坂口涼太郎は3歳からピアノを始め、幼少期からバレエやコンテンポラリーダンスを本格的に修得しています。そのため、立ち姿の重心がブレず、指先の所作まで洗練されています。対してひょっこりはんは、首をかしげたり体を折り曲げたりするコミカルで愛嬌のある脱力したポージングが基本です。
- 声のトーンと発声法:ひょっこりはんは「はい、ひょっこりはん」のフレーズに代表される高めで丸みのあるアニメ声に近いトーンです。一方の坂口涼太郎は舞台仕込みのよく通る低音から中音域の響きを持ち、舞台俳優ならではの明瞭な滑舌を持っています。