急性アルコール中毒は、短時間に大量の飲酒を行うことで脳の呼吸中枢が麻痺し、死に至る極めて危険な状態を指す。厚生労働省の統計や啓発資料でも繰り返しその恐怖が訴えられているが、現場での認識はあまりにも甘い。特に、上下関係や組織の「伝統」を盾にした飲酒の強要、いわゆるアルコールハラスメント(アルハラ)が悲劇の引き金となっている。
アルハラ防止活動に長年取り組むNPO法人ASKの担当者は、「『断ればノリが悪いと言われる』『杯を干すことが場への貢献とされる』といった構造そのものが刃物と同義だ」と強く警鐘を鳴らす。被害者の体内から検出された血中アルコール濃度は致死量に達していた。断る権利すら奪われた若い大学生が、逃げ場のないゲームや一気飲みのコールの中で追い詰められていった惨劇の実態が、改めて浮き彫りとなっている。