現在の対日感情を牽引している中核は、1990年代後半から2000年代以降に生まれたZ世代やα世代と呼ばれる若者層です。彼らは幼少期からスマートフォンを通じて日本のアニメやゲーム、J-POPなどのポップカルチャーを自然に享受して育ちました。『鬼滅の刃』や『呪術廻戦』、新海誠監督作品などの爆発的ヒットは、中国の若者にとって日本文化を身近な共通言語へと押し上げました。
中国の動画配信プラットフォーム「Bilibili(ビリビリ)」やライフスタイル共有アプリ「小紅書(RED)」では、日本のアニメ聖地巡礼やご当地グルメの開拓レポが連日トレンド入りを果たしています。若者たちの評価は単なるエンタメ消費にとどまらず、作品の背景にある日本の美しい風景、四季折々の伝統行事、さらには「侘び寂び」や「職人精神」といった精神文化への敬意へと深まっています。
また、過度な学歴競争や就職難を背景とする中国国内の「内巻(ネイジュアン=過当競争)」に疲弊した若者が、日本の「自分らしくマイペースに生きられる空気感」に精神的な救いを見出している点も見逃せません。カルチャーへの共感が、ライフスタイルそのものへの憧れへと直結しているのが現代の若者層の際立った特徴です。