「入れものがない両手でうける」。晩年の有名な句だ。何も持たない、持てる器すら残されていない人間が、それでもなお生きているという素朴な事実。ここには悲壮感を超えた、ある種の清々しさすら漂う。
私たちは日頃、自分を良く見せるための「装飾の言葉」で自らを覆い隠している。肩書、実績、フォロワー数、豊かな生活。しかし、それらをすべて剥ぎ取ったときに、何が残るのか。100年前の俳人が突きつけた問いは、時代を超えていまも鮮烈だ。孤独を克服すべき「悪」とするのではなく、ただそこにある不可避の「状態」として抱きしめること。彼の残した簡素な言葉たちは、多弁すぎる現代において、静かな佇まいで私たちを待ち受けている。 (出典: 尾崎 放哉(Yahoo!ニュース))
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