物語の核心にあるのは、「理想的な人間」を創り出すという極秘の遺伝子実験だ。6人の優秀な父親たちの遺伝子を掛け合わせ、完璧な子供を誕生させるはずだったこの計画。しかし、受精卵が分裂する過程で予期せぬ事態が発生する。全ての優良な遺伝子を受け継いだ「超人」ジュリアスと、残された遺伝子の欠片を集めて生まれた「落ちこぼれ」ビンセントという、究極の対比をなす双子が生まれてしまったのだ。
出生直後に引き離されたふたりは、まったく異なる環境で大人になる。南の島で英才教育と豊かな教養を授かったジュリアスに対し、ビンセントは孤児院で育ち、裏社会の小悪党としてその日暮らしを送っていた。35年後に初めて出会ったふたりが、自分たちの生い立ちの秘密と実の母親を探す旅に出ることで物語は大きく動き出す。違いすぎる容姿と価値観を持ちながらも、血の繋がりと友情を深めていく過程には、多様性を肯定する現代にも通じる深いメッセージが込められている。