藤枝東を語る上で欠かせないのが、世界最高峰のブンデスリーガで長年活躍し、現役引退後もヨーロッパの指導者シーンで高い評価を集める元日本代表キャプテン・長谷部誠の存在です。彼が在籍した長谷部誠母校サッカー部としてのDNAは、四半世紀が経過した現在もチームの根底に脈々と受け継がれています。
長谷部氏が著書や過去の特番インタビューで「藤枝東での3年間が、自分のメンタルマネジメントとプロとしての基礎を作った」と回顧した通り、部員たちに求められるのはサッカーの技術だけではありません。高校の教育課程において藤枝東高校偏差値文武両道の看板に偽りはなく、県内有数の進学校として偏差値66〜67を維持しながら、赤点を取れば遠征への帯同が制限される厳格な学業規律が敷かれています。
この徹底した人間形成の土壌から、藤枝東高校サッカー部歴代プロ選手として中山雅史(アスルクラロ沼津監督、元日本代表)、堀池巧、石崎信弘、碓井博行、河井陽介、成岡翔など、引退後も日本サッカー界の中枢を担うリーダーが数多く輩出されてきました。彼らに共通するのは、卓越した技術以上に「高い言語化能力」と「自己客観視の力」です。ピッチ上の混沌を論理的に整理できる知性があるからこそ、プロの厳しい生存競争を生き抜くことができるのです。