性行為中の心臓への負担は、一体どの程度なのだろうか。国際的な医学論文データベースであるPubMedや、日本の学術論文情報プラットフォームJ-STAGEに収載された最新の臨床データによれば、性行為時における酸素消費量は「階段を2階分駆け上がる」または「早足で平地を15分歩く」程度の運動強度(約3〜4 METs)に相当する。
若年期であれば何ら問題のない運動量だが、血管の弾力性が失われた高血圧患者においては話が変わる。射精前後の絶頂期には交感神経が急激に優位となり、収縮期血圧(上の血圧)が瞬間的に40〜60mmHg以上跳ね上がるケースが報告されている。世界保健機関 (WHO) も心血管疾患リスクを抱える患者の身体活動負荷については事前のリスク評価を推奨しており、過度の興奮が心臓へ与える過剰なストレスには十分な警戒が必要だ。