この店を語る上で外せない看板メニューが、透き通る身が美しい「活イカの姿造り」である。注文を受けてから水槽から揚げ、熟練の職人が一気にさばいていく。提供された瞬間の身はまだ動きを見せ、圧倒的な透明感を誇る。噛みしめるほどに強い甘みが口いっぱいに広がる瞬間は、まさに至福だ。
カウンター越しに見せる包丁さばきは、もはや一つのアートである。ミリ単位で細かく入れられる隠し包丁や、魚の部位ごとに刃を入れる角度を変える職人の技。単に食材を切るだけでなく、素材が持つ潜在的な旨味を極限まで引き出す一手間が、ひと皿ごとに施されている。