交通安全白書が報告する近年の交通事故統計によると、歩行中における死者数は依然として全体の高い割合を占めている。特に幹線道路での横断中や停留場付近での事故は、ひとたび発生すれば被害者の生存率が著しく下がる過酷な現実がある。
こうした状況を重く見た警察庁と国土交通省は、歩行者保護を重点施策として掲げ、交差点や安全地帯周辺での街頭監視を大幅に強化した。警察庁長官の通達でも、交通弱者の安全確保に向けた悪質違反の厳格な取り締まりが全国の警察本部に指示されている。
安全地帯は、車社会の中でかろうじて守られた「歩行者の避難所」である。行政が取り締まりのメスを強く入れるのは、ここが命の境界線そのものだからに他ならない。