フィギュアスケート離れを加速させているもうひとつの深刻な問題が、競技ルールの過度な複雑化です。近年のルール改定では、ジャンプの回転不足(クォーターやアンダーローテーション)、エッジエラー、踏み切り動作(プレローテーション)の判定が厳格化されました。
しかし、これらの判定はスロー映像をコマ送りで見なければ判別がつかず、現地観戦や生放送を見ている一般ファンには「なぜ転倒していない選手が、転倒した選手より点数が低いのか」が理解できません。出来栄え点(GOE)や演技構成点(PCS)の採点基準も不透明さを増し、採点に対する不信感やモヤモヤを抱く視聴者が増えました。
かつてのように「大技のトリプルアクセルを着氷したから大逆転」といったシンプルで直感的なカタルシスが失われ、マニア向けの研究対象のようになってしまったことが、ライト層が離れていった大きな要因です。