狗巻棘が操る相伝の術式「呪言(じゅごん)」は、言葉に言霊としての呪力を宿らせ、聞いた対象に強制的な事象発現を強いる強力な能力です。「爆ぜろ」「ねじれろ」「動くな」「ぶっ飛べ」「眠れ」など、発した命令をそのまま物理現象として対象に叩き込みます。
彼の両頬および舌には、「蛇の目(へびのめ)と牙」と呼ばれる呪印が刻まれています。この紋様は呪言師の血統である狗巻家に代々伝わる生来の呪印であり、呪力を言霊へと変換・増幅するための器官としての役割を果たしています。普段ハイネックの襟で口元を隠しているのは、意図しない呪力の漏洩や周囲への威圧感を防ぐための配慮です。
呪言は極めて強力である反面、大きな代償とリスクを伴います。格上の呪霊や強大な呪術師に対して強力な言霊を使用した場合、その反動(リバウンド)が術者自身の喉や内臓を直撃します。そのため狗巻は戦闘時、常に「のど飴」や医薬品指定の「喉スプレー」を携帯し、喉のケアを欠かしません。
呪術高専入学時点で狗巻は準2級呪術師に位置付けられていましたが、これは単独で2級呪霊を確実に祓える実力であり、学生としては極めて優秀な水準です。術式の特性上、雑魚敵の一掃や集団戦のコントロールにおいては1級術師を凌駕する制圧力を持っています。