恐怖を感じにくく、他者に無条件でアプローチする脳構造は、世界中の科学者を魅了し続けている。脳機能イメージングを用いた解析によると、危険を察知する扁桃体が、他者の怒りや脅威の表情に対して鈍い反応を示す一方、好意的な表情や音楽には過剰なほど激しく活性化することが判明した。
こうした特異なメカニズムの解明に向けて、アメリカ国立衛生研究所(NIH)などの国際的研究機関が精力的なアプローチを続けている。遺伝子欠失が脳神経のネットワーク形成にどのようなバイアスをもたらすのか。そのプロセスを特定する研究は、単に疾患の理解にとどまらず、人類が社会性を獲得してきた進化の歴史を紐解く手がかりとしても注目されている。