仙台市若林区荒浜に位置する深沼海水浴場は、広大な仙台湾に面した仙台市内唯一の海水浴場です。震災前はシーズン中に十数万人規模の海水浴客が訪れる一大レジャー地でしたが、津波によって集落や松林が流失し、一帯は災害危険区域に指定されました。
2026年現在の深沼海岸は、かつての荒涼とした景観から劇的な変化を遂げています。高さ7.2メートルの海岸堤防(防潮堤)の整備が完了し、失われた砂浜を回復させる養砂事業や消波ブロックの再配置が進んだ結果、白砂青松の風景が徐々に蘇りつつあります。仙台市や地元有志による海岸清掃活動「深沼ビーチクリーン」も定着し、砂浜の美しさは震災前と同等、あるいはそれ以上の水準にまで保たれています。
海岸沿いにはウッドデッキ調の遊歩道が整備され、散策やサイクリング、サーフィンを楽しむ人々の姿が日常的に見られるようになりました。単に元の状態に戻すのではなく、防災インフラと親水空間が調和した新しい海岸空間としての姿を確立しています。