事件が社会に与えた衝撃の大きさは、報道・出版メディア業界のみならず、表現者たちをも挑発し続けた。しかし、その映像化には常に激しい反発と倫理的な摩擦がつきまとった。
1997年に公開された映画『少年の犯罪』は、事件をモチーフに少年たちの心の闇を描こうと試みた初期の作品である。そして2004年、松村克弥監督が手掛けた映画『コンクリート』は、事件の生々しい実態に迫ったことで、公開前から劇場への脅迫や上映反対運動が巻き起こる異例の事態へと発展した。「被害者の尊厳を傷つける」「遺族への二次加害である」という抗議が殺到し、多くの映画館が上映中止に追い込まれた。フィクションとして凶悪犯罪を描くことの限界と、表現の自由の境界線をめぐる議論は、この作品を通じて映画史に深く刻まれた。