会社から支給される給与明細に記載された「総支給額(額面)」と、実際に銀行口座へ振り込まれる「差引支給額(手取り)」の間には、常に大きな溝が存在します。月収30万の手取り額計算を行うと、独身・扶養家族なし(40歳未満)の場合、手元に残る金額は約23万5,000円〜24万円となります。支給額の約78〜80%しか残らない計算です。
「30万円稼いだはずなのに、手元に残るのが23万円台とは引きすぎではないか」と感じる方が多いのも無理はありません。ネット上や知恵袋などのコミュニティでも「月収30万の手取りが少ないと感じる真相」について日常的に疑問が投じられています。この手取り23万から24万になる理由は、給与から強制的に天引きされる「法定控除」の仕組みにあります。
天引きされる項目は、大きく分けて「社会保険料」と「税金」の2系統です。具体的には以下の5項目が毎月の給与から差し引かれます。
- 健康保険料:病気や怪我の治療費を自己負担3割に抑えるための公的保険料。
- 厚生年金保険料:将来の老齢年金や障害年金の原資となる積立金。
- 雇用保険料:失業時の給付や育児休業給付などを支える保険料。
- 所得税:その月の所得見込みに対して国へ納める国税(源泉徴収)。
- 住民税:前年の1月〜12月の所得に対して地方自治体へ納める地方税。
控除総額は約6万〜6万5,000円に達しますが、その内訳のうち約75%を占めているのは税金ではなく社会保険料です。所得税や住民税が増えたという印象を持ちがちですが、実態は厚生年金(折半で約9.15%)や健康保険(折半で約5%前後)といった社会保険料負担が手取りを大きく押し下げている構造に他なりません。