近年の疫学動向において、三類感染症は決して過去の病気ではない。国立感染症研究所の感染症発生動向調査(NESID)によると、腸管出血性大腸菌感染症は初夏から秋にかけて毎年コンスタントに数千件規模の報告が上がっている。バーベキューや加熱不十分な食肉による集団食中毒は、現在進行形の公衆衛生リスクだ。
一方、コレラ菌や腸チフス、パラチフス、細菌性赤痢は海外渡航歴のある輸入症例が主体を占める。グローバルな人の往来が完全に回復した現代において、渡航医学の現場でも三類感染症への警戒度は極めて高い。
厚労省が発出する最新の通知や統計データは、国試のプール問題として数年越しで反映される。単なる法律の暗記として片付けるのではなく、現場で遭遇しうるリアルな感染症として捉える視点こそが、臨床現場に出てからも役立つ本物の知識となる。