坂口杏里が大手芸能事務所であるサンミュージックプロダクションに所属し、本格的にバラエティタレントとしての道を歩み始めた頃、世間は「坂口良子の娘」として彼女を大いに持てはやした。フジテレビの『バイキング』をはじめ、数々の人気番組に出演する姿を、兄もまた複雑な心境で見守っていたとされる。
華々しい活躍の陰で、急激な環境の変化とプレッシャーに晒される妹の身を案じつつも、過熱するテレビ報道や周囲の喧噪に対し、兄は一歩引いた視点を崩さなかった。芸能界という特殊な世界の光と影を、誰よりも冷徹に理解していたからこその距離感だった。