TVシリーズ全49話のフィナーレを飾った最終回の結末は、平成仮面ライダー史に残る美しくも切ない幕引きとして知られています。
宿敵エボルトとの最終決戦において、戦兎は父・葛城忍の遺した理論とパンドラボックスの強大なエネルギーを利用し、スカイウォールのない「平行世界(白いパンドラパネルの世界)」と自分たちの世界を融合させる作戦を決行します。それこそが、エボルトの存在を完全に消滅させ、戦争と人体実験の惨劇を歴史から抹消する唯一の道でした。
世界の融合が果たされた結果、スカイウォールによる分断もスマッシュの脅威も存在しない、誰もが平和に暮らす「新世界(C世界)」が誕生しました。しかし、そこには過酷な代償が伴っていました。新世界で生きる人々――氷室幻徳や猿渡一海、石動美空らは誰もが平和な日常を享受しているものの、かつて戦兎とともに命を懸けて戦った記憶をすべて失っていたのです。
誰からも自分の存在を認識されず、ひとり孤独に黄昏の街を歩く戦兎。しかし、その静寂を破ったのは、エボルトの遺伝子を持っていたことで同様に旧世界の記憶を保持していた相棒・万丈龍我の声でした。「万丈だ!」と叫び合い、抱き合って再会を喜ぶ2人。戦兎は新世界のフリーの発明家として、これまでに起きた49話分の戦いの記録をボイスレコーダーに吹き込み、龍我とともに新たな歴史の1ページを紡ぎ始めました。