歴史の節目を描いた映画や映像作品でも、この万歳の所作は重要な演出要素として登場する。特に太平洋戦争の終戦を描いた名作映画『日本のいちばん長い日』などでは、極限状態に置かれた軍人や閣僚たちが万歳を叫ぶシーンが鮮烈に描かれている。
昭和史を題材にした歴史ドキュメンタリーを見返すと、当時の人々がどのように腕を上げていたかが視覚的に把握できる。軍人の礼式や当時の公式行事では、腕を力強く斜め前上に突き出し、手のひらを内側に向けるキリッとした所作が徹底されていた。現代のバラエティ番組で見られるような、緩やかなお手上げポーズとは一線を画す厳格さがそこには存在したのだ。