デトロイトの街で絶対的なヒーローとして君臨するスクーバルだが、プロ野球ビジネスの冷徹な現実がそこに立ちはだかる。FA権獲得へのカウントダウンが進み、年俸調停による年俸高騰が確実視される中、タイガースフロントはクラブの将来を左右する大きな岐路に立たされているのだ。
若手を中心とした中長期的な常勝軍団づくりを完結させるため、最もトレード価値が高騰している「今この瞬間」にエースを放出し、他球団から将来の柱となる超有望株を複数人根こそぎ獲得する決断――。球団内部ではそんな大胆なシナリオが真剣に議論されているという。
現地で長年取材を続けるベテラン記者は次のように明かす。「タイガースにとってスクーバルを失う痛みが計り知れないのは明白だ。だが、一人の絶対的投手に資金を集中させるリスクと、ドジャースが提示し得る破格のプロスペクト(若手有望株)パッケージを天秤にかけた時、フロントの心がグラつくのは何ら不思議ではない」。