東日本撤退の陰で、多くのファンに深い悲しみを与えたのが「カール カレーあじ」の完全販売終了でした。チーズあじとうすあじが西日本限定として生き残ったのに対し、カレーあじは西日本を含む全国で完全に姿を消すことになりました。
この決断の背景には、製造ラインの清掃・切り替えコストという食品工場のシビアな現実が存在します。カレー味のスパイスは香りと色素が非常に強く、一度ラインで製造すると他の味に風味や色が移るのを防ぐため、長時間のライン洗浄と点検作業が必要になります。売上規模が縮小した状況において、松山工場の限られた生産設備で効率よく稼働させるためには、清掃負荷が重いカレー味を切り捨て、売上の柱である「チーズあじ」と、西日本で圧倒的なシェアを誇る「うすあじ」に特化するしか道がなかったのです。
特に関西を中心とする西日本市場において、「うすあじ」は昆布だしの旨味が効いた定番として根強い支持を集めており、東日本よりも西日本の方がカール全体の消化スピードが速いという明確な地域差データが存在していました。まさに「地域嗜好と製造効率の冷徹な掛け算」が、現在の2種類体制を決定づけたといえます。