2016年、連載40周年およびコミックス200巻の節目で迎えた最終回。多くのファンが固唾をのんで見守った「両津と麗子の関係の決着」は、非常に『こち亀』らしい形で描かれた。
結論から言えば、2人が結婚したり、恋人同士になったりする描写は存在しない。最終回においても派出所の日常は変わらず、両津の破天荒な行動に麗子や中川が振り回されるという、普遍の黄金パターンが貫かれた。
作中では過去に、麗子が偽装結婚を頼んだり、記憶喪失になった両津に対して麗子が特別な感情を滲ませたりする「恋愛エピソード」が散見された。特に麗子が両津に対して放った「両ちゃんがいなくなったら寂しい」という趣旨の数々の言葉は、単なる同僚以上の感情を物語っていた。しかし、秋本治氏が選んだのは、恋愛関係に落とし込んで物語を閉じることではなく、「一生涯続く特別なパートナーシップ」としての関係性を永遠に維持することであった。
夫婦という契約に縛られず、大富豪の令嬢と下町の警官が互いを深く信頼し合い、軽口を叩き合える関係。それこそが、読者が最も愛した2人の到達点だったと言える。