彼の恐ろしさは、単なる暴力の凄まじさではない。むしろ、その精神的な「小ささ」にある。世界を滅ぼすほどの凄まじい権能を持ちながら、考えていることは驚くほど矮小だ。「挨拶の仕方が気に入らない」「話の途中で目を逸らされた」。そんな拍子抜けするような理由で、都市の一角を壊滅させ、人を殺戮する。
この巨大な力と矮小な精神の落差が、見る者に強烈なストレスとカタルシスをもたらす。我々は彼の理不尽な演説に腹を立てながらも、どこかで「次はどんな常識外れの屁理屈を捏ね出すのか」という怪しい期待を抱いてしまう。感情を逆撫でする天才であり、同時に目が離せないエンターテイナーでもあるという二面性が、彼というキャラクターを唯一無二の存在へ押し上げた。