「儚さ」に心奪われるのはなぜ?語源・類語から紐解く日本美の深層

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日常的に何気なく使っている「儚い」という言葉ですが、その成り立ちには極めて示唆に富む歴史が刻まれています。「儚さ」の辞書的な意味は、「消えやすく束の間であるさま」「頼りなくあやふやなさま」「無駄で効果がないさま」という3つの要素に大別されます。

まず語源として有力なのは、古語の「はか(果・計)」に否定の接尾語「なし」がついた「はかなし(果無し)」です。「はか」とは本来、仕事の進み具合や計量、見通し・目処を指す言葉でした。「捗(はか)が行く」「はかばかしい」という言葉に今も名残があるように、計算通りに物事が進む状態を表します。つまり「はかなし」とは、「目処が立たない」「確かな拠り所がない」「あっけなく終わってしまう」状態を意味していたのです。

漢字の成り立ちに目を向けると、さらに興味深い事実が浮かび上がります。「儚」は「イ(にんべん=人)」と「夢」を組み合わせた会意兼形声文字です。人が見る夢のように「実体がおぼろげで頼りない様子」を象形化したものであり、人間の存在そのものが幻のようなものであるという洞察すら漂わせています。

阿部 裕樹
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阿部 裕樹

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。