レストランの厨房でシェフたちがホールトマトを好むもう一つの理由が「酸味と苦味のコントロール」だ。
トマトの種とその周りのゼリー状部分には強い酸味が含まれている。ホールトマトの場合、手で潰しながら種を取り除くという仕込み作業が可能だ。この一手間を加えることで、驚くほどまろやかでホテルライクな高級ソースが完成する。
カットトマトは最初から細かく刻まれているため、種を取り除くのが困難だ。そのため、酸味が前面に出やすい。この酸味を活かしてラタトゥイユやキーマカレー、ミネストローネを作るか、あるいはホールトマトの種を取ってリッチなナポリタンを作るか。この使い分けこそがプロと素人を分ける境界線と言える。